モーターはそのままでは回転が速く、力を十分に活かせないよね。そういう時は、プーリーやギアを使おう。
このコーナーでは、プーリーやギアを使った時の回転数とトルクの関係を説明するよ。
組み合わせるプーリーの直径やギアの歯数の比を変えれば、回転数やトルク(回転力)を変えることができます。
上の図の場合、プーリーは大きい方の直径が小さい方の直径の2倍、ギアは大きい方の歯数が小さい方の歯数の2倍となっているので、それぞれ小さい方の回転数とトルクを1とすると、大きい方の回転数は2分の1に、トルクは2倍になります。
注意:理論上は、回転数×トルクは常に一定になりますが、実際は摩擦やすべりが生じ計算通りにはなりません。
また、ベルトでつないだ2つのプーリーの回転方向は同じになりますが、ギアを組み合わせた場合は、1枚ギアが増える毎に回転方向が変わります。
ギアの合計数が奇数ならば、最初と最後のギアの回転方向は同じ、偶数なら逆向きになると覚えておくと便利です。
構造が簡単なので工作に最適です。ベルトには輪ゴムをよく用いますが、すべりが生じるので調整が必要です。大きな減速比や大きなトルクを伝達するには不向きです。
1. ベルトの長さで 距離を自由に設定 ゴムベルトの長さを変えれば、モーターを遠くにはなすことも簡単にできます。 |
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2. ベルトのクロスがけで逆回転 ベルトをクロスにかければ、2つのプーリーは逆回転になります。 |
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プーリーより正確に回転数やトルクを伝達できます。ギア枚数を増やせば、確実に大きな減速比とトルクを得られますが、手作りは難しいので市販の模型・工作用ギアを利用するとよいでしょう。
1. ウォームギア ウォームとはネジ歯車のことで、減速比が大きいのが特徴です |
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2. クラウンギア 王冠のような形をしている歯車で、回転軸の方向を変えるときなどに用います。 |
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ここでは「カム」や「リンク機構」を使った動きを説明するよ。
回転運動をいろいろな動きに変化させて利用すれば、工作の幅がグンと広がるね!
長さの違う棒をつないで動かすと、円弧上の範囲を往復する動きが生まれます。このような仕組みをリンク機構といい、回転をさまざまな動きに変えることができます。
リンク機構のひとつで、直線上を行ったり来たりする動きです。自動車のエンジンでは、この仕組みを逆に使ってピストンの上下運動を車輪の回転に変えています。
回転軸に、中心から円周までの距離が一定でない板(カム)を取り付けて動かすと、カムに接するものに往復などのくり返し運動を伝えることができます。
意外と知らないモーターの使われ方を教えちゃおう。
ここでは「発電」や「振動」など、ちょっと変わったモーターの使い方を説明するよ。
携帯電話やゲーム機のコントローラーを振動させるのにもモーターが使われています。モーター軸に重心をずらしたおもりを取り付けて回転させることで、振動が生まれます。
モーターの軸を外部の力で回転させると、中に入っている磁石とコイルによって「電磁誘導」という現象がおこり、電気が生まれます。発電所もこの現象を応用し、蒸気、水、風の力で巨大な発電機を回転させ、電気を生み出しているのです。