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今後の取り組み

「動き」のソリューション提供による事業ポートフォリオの進化

当社はこれまで、小型直流モーター専業メーカーとして、お客様が求める真の価値を実現する高品質なモーターを「標準化戦略」によってリーズナブルな価格でご提供し、自動車電装分野からライフ・インダストリー分野まで、人々の暮らしの利便性、快適性及び安全性の向上に幅広く貢献してまいりました。今後もお客様と社会への貢献を拡大するため、モーターをコアとしつつ事業領域を拡大し、多様な「動き」のソリューションを提供することにより事業ポートフォリオを進化させ、事業の成長を図ります。当社は事業ポートフォリオの深化を実現するための事業コンセプトとして「e-MOTO」を掲げています。e-MOTOは、お客様と社会が望む多様な「動き」のソリューション提供を事業活動の目的とした事業コンセプトであり、近年増加するお客様からのユニット提供のご要望にも、回転に留まらない多様な「動き」を提供することで、ビジネス領域の拡大と付加価値向上の実現を目指しております。また、ユニット等のビジネス領域拡大においてはM&Aや外部提携を積極的に活用していく方針としております。
2025年4月には、高精度樹脂ギアメーカーであるオービー工業株式会社が当社グループに加わる予定です。モーターが生み出す回転運動の多軸伝達・変速が可能なギア製品は、モーターと一体でユニットとして最適な設計することにより、お客様への提供価値及び製品付加価値が向上していくと考えております。オービー工業の有する、精密成形の高い対応能力、グローバルでのワンストップ対応体制を獲得する事により、当社グループ一体となってお客様に最適なソリューションを提供してまいります。
当社が今後の成長に向けて特に注力する事業領域を、「モビリティ」「マシーナリー」「メディカル」の「3つのM領域」と定義しており、各領域において以下の通り取り組んでおります。

モビリティ 自動車電装分野では、EV化の進展に伴い、限られたバッテリーで航続距離を延ばすための電力消費量の削減が求められており、小型・軽量・高効率という当社モーターの付加価値を更に高め、開発・生産・販売を推進します。またバッテリーの熱管理に使用されるバッテリー冷却用のバルブ用途の需要が高まっており、ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしている当社の強みを活かし、ユニット対応を含めてお客様の要望に応じたソリューションを提供してまいります。ライフ・インダストリー分野では、移動体用ブラシレスモーターにおいて、アシスト自転車や農機具用等の様々な用途にて受注を獲得しており、引き続き新たなお客様・用途を開拓し、拡販に取り組んでまいります。
マシーナリー 今後市場の拡大が見込まれるロボット市場では、人手不足の解消に貢献するような協調ロボット用途での拡販を目指し、中空構造のブラシレスモーター等のラインナップを拡充しており、コンビニエンスストアの商品陳列ロボット用で受注を獲得しました。今後も新規採用に向けた拡販を進めてまいります。また産業機器に関しては、工業製品や食品等の生産過程におけるCO2排出量の削減が急務となっており、エア式や油圧式から、よりエネルギー変換効率の高い電動式へ切り替える動きが広まっており、ビジネス拡大に向けたソリューション提案を進めてまいります。
メディカル 健康・医療機器用途においては、高付加価値の歯ブラシ用モーターをはじめ、人々の健康に寄与する製品に注力しています。2021年7月にM&Aにより統合した人工呼吸器及び歯科治療機器用モーター等を手掛けるマブチエレクトロマグの製品ラインナップ及び顧客基盤を足掛かりに、医療機器用途の取り組みを強化しております。また、2023年3月に当社グループに加わった、主に健康・医療機器用の小型ポンプに強みを有するマブチオーケンとのシナジー創出を早期に実現し、医療機器用をはじめとする「3つのM領域」における、ユニット対応力とソリューション提案力を強化し、事業拡大に取り組んでまいります。

自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器用モーターの拡販

パワーウインドウ用モーターにつきましては、搭載車種の拡大に向けた取り組みを一層強化し、販売活動に注力することで、更なるシェア拡大を目指してまいります。日系自動車メーカーにおいては既に5社に当社製品を採用いただいておりましたが、新たに6社目より受注を獲得しました。パワーシート用モーターにおいては、日系大手のお客様をはじめ、ビジネスの更なる拡大に取り組んでまいります。またリクライナー、ハイト及びチルトアジャスターなどの様々な機構に使用可能な新製品を投入することで、既存のお客様におけるシェアアップに取り組んでまいります。パーキングブレーキ及びドアクローザー用等のモーターについては、標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び販売活動に取り組んでまいります。ミラー用をはじめとする当社が高い世界シェアを有する既存製品分野においては、新たな差別化技術を搭載した製品の投入により更なる販売の拡大に取り組んでまいります。
ライフ・インダストリー機器用においては、家電製品や健康・医療等の個人の生活に関する用途と、業務や産業に関する用途に向け、付加価値の高い製品を提供してまいります。産業機器用途において求められるモーターに強みを有する沖マイクロ技研の小型モーター事業を2025年7月より当社グループに加え、マシーナリー領域における拡販に取り組んでまいります。今後も、開発・生産・販売のあらゆる面でのシナジー創出に取り組み、ライフ・インダストリー機器用途全体の成長へつなげてまいります。

マブチグローバル経営によるグローバルリスクマネジメント

当社は、各海外拠点の自主・自立性を向上させ地産地消を推進する「世界5極事業体制」に、拠点間の人材の繋がり及び多様な価値観を活用する「ダイバーシティ」を強みとする「マブチグローバル経営」を推進しております。本社・各拠点間の人材交流を促すための基盤となる人事制度の整備及び各種情報共有や拠点をまたぐ会議体の設定等を通じてグループレベルで相互理解と協力を促進し、グループ各拠点の横の繋がりを強化することに加えて、各拠点内における縦の繋がりを強化するための方針展開施策、教育及び階層を超えたコミュニケーション施策等により会社方針や価値観の理解・共有を図っております。各拠点において強固な開発・生産・販売体制を構築することにより、変化の大きい市場環境においても高品質な製品をリーズナブルな価格で安定的に供給できるよう、グローバルレベルでのリスクマネジメントを推進してまいります。

サステナビリティへの取り組み

当社では、SDGs(持続可能な開発目標)を、人を大切にしながら経済的にも成長できる目標と捉えております。2030年を最終年度とするサステナビリティ目標を設定し、「地球環境を犠牲にすることのない企業活動」「豊かな社会と人々の快適な生活を実現するものづくり」「すべての人が活躍できる環境の実現」「社会的責任の遂行」をマテリアリティ(重要課題)として、事業活動を通じた地球環境や社会課題の解決に向けた積極的な取り組みを継続しています。気候変動への取り組みとして、2050年までにカーボンニュートラルに向けた活動を推進しており、目標達成に向け、再生可能エネルギーの更なる活用や環境へ配慮した製品創出の取り組み等の具体的な施策を加速いたします。また、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に取り組むため、SBT認定取得を目指します。社会面での取り組みとしては、SDGsに貢献する製品の販売拡大やお取引先様を含むサプライチェーン全体でのCSR活動、人権への取り組み、また次世代を担う子どもたちが科学への関心を深める活動を推進してまいります。今後も、国際社会が直面している課題の解決に事業を通じて貢献することにより、経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」の実現を目指し、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。