永久磁石では磁束は常にN極からS極に向かっています。この永久磁石で生じた磁界(磁束の集まり)の中に導体(熱・電気を伝えやすい物体)をおき、電流を流すと力が発生します。この磁界と電流の相互作用で発生した力のことを「電磁力」と言います。
電磁力の基礎知識
電磁力とは


この時の電流・磁束・力の方向は「フレミングの左手の法則」によります。 左手の親指・人差し指・中指をそれぞれ直角になるよう開いたとき、親指が力の方向、人差し指が磁束の方向、中指が電流の方向を表します。
では、磁界と電流はどのように作用しているのか具体的に見ていきましょう。
電流による磁界の発生

図3のように奥から手前に向かって導体に電流を流すと電流を中心とした、反時計回りの同心円状の磁界が発生します。
この時の磁束の回転方向は、「右ネジの法則」で知ることができます。ネジの先端に向かって電流が流れていると考えたとき、右ネジを締めるためにドライバーをまわす方向です。
磁力線の干渉

永久磁石の磁界と、電流によって発生した磁界は互いに影響を及ぼし合います。 磁力線の向きが同じところでは磁力は強まり、反対方向を向いているところでは相殺されて磁力が弱まります。
電磁力の発生

磁力の強いところと弱いところは、ちょうど強く張ったゴムひもとゆるんだゴムひものようなものです。 導体は、強く張った(磁力が強い)方から弱い方へ押し出されるような力を受けることになります。
回転力の発生

電磁力は、次式で表わされます。
図6のように磁界中に導体を配置した時、導体に発生するトルク(回転力)は次のようになります。 1本の導体に発生する電磁力をFとし、中心から導体の距離をRとすると、次式で算出することができます。
導体1本当たりのトルク | ![]() |
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図6のトルク(導体2本分) | ![]() |