日々大きく変化を遂げるグローバル社会経済環境にあって、企業が持続的な成長を実現するための最も重要な要素が「人」であることは言うまでもありません。
当社は経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」をいかに具現化すべきかを示した経営基軸において、「人を最も重要な経営資源と位置づけ、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる」と定めています。社員が個々の能力や想いをそれぞれの仕事で発揮することが、事業活動を通じて国際社会へ貢献し続けるために最も重要な原動力になると考えております。
そのために、当社では社員一人ひとりが自らの長所を伸ばしながら、個性を発揮して活躍できる組織作りを推進し、経営理念の実現、及び長期経営方針で掲げる「全ステークホルダーの幸せへの貢献の継続とその拡大」を実現してまいります。
人的資本の考え方
マブチモーターの人的資本に対する考え方
1.人材育成方針
採用・登用
当社は、多様な人材が切磋琢磨することにより新たな価値創出を促進できる活力ある風土醸成のため、当社の経営理念への共感を前提に、年齢・性別・国籍・人種・障がいの有無等の違いに制約されない多様な人材を、新卒・キャリアの区別なく、人物本位で採用・登用しております。
育成
当社は、本社社員のみならず国内外のグループ企業社員も含め、グローバルに活躍できる経営人材、専門性あふれる人材を継続的に輩出すべく、国を超えた人材交流(ローテーション)、及び教育を主管する組織であるMLI (マブチラーニングインスティテュート)を推進主体として、当社独自の教育体系に基づき研修を実施しております。MLI によるオンライン学習を活用したグローバルな教育環境の活用により、学習する組織風土の醸成、専門知識・技術レベル向上によるスペシャリストの早期育成等、マブチグループ全体で広く深い知識を得られる体制を構築してまいります。
適材適所配置
当社は、年齢や勤続年数に依らない真の実力主義による幹部登用、複線型人事制度とキャリア開発の深化、及び自己申告制度の併用により、希望する社員の誰もがチャンスを得ることができ、適性・希望に応じたキャリア形成を可能とする環境整備を進め、必要な経験・スキルをもった人材の最適配置を実現してまいります。
評価・処遇
当社の人事評価・報酬制度は、様々な役割を果たす社員一人ひとりの貢献を的確に把握し、会社と社員が一緒に成長するとともに、貢献に対して公平・公正に報いることを目指します。管理職、専門職には年齢や勤続年数等の属人的な要素に関係なく、役割・職務の大きさ・成果によって報酬が決まる制度を導入しており、本社一般社員やグループ会社社員にも同様の制度を展開していきます。合わせて、多様な役割を果たす社員一人ひとりの貢献を的確に把握し、それに見合った処遇を行うための評価制度及び処遇制度といたします。こうした制度・体系を社員に明確に示すことで、社員は会社方針と自らの役割のつながりを理解でき、自己実現のために必要な経験・スキルの見える化を通じて、希望するキャリアパスの実現を可能としてまいります。
2.社内環境整備方針
経営戦略の浸透
全社員が一体感を持ち、様々な社会課題の解決に向け取り組むことで、経営理念の実現を目指すべく、経営戦略や経営方針の浸透を図ります。経営戦略、方針の浸透に向けて、経営陣が社員に直接語りかける機会(全社方針説明会、本部・事業部方針発表会)を設けております。また、経営理念についても、経営理念そのものに加え、グループ全体の取り組みとして創業者馬渕健一・隆一兄弟の半生を分かりやすくまとめたリーフレットを配付し、経営理念制定に至るまでの創業者の想いを全社員が共有しております。
心と身体の健康
当社は、経営基軸の中で「地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う」と掲げており、海外拠点も含め、社員としての基本的権利を尊重し、社員一人ひとりが健康で安心して活動できる職場づくりに積極的に取り組んでいます。社員の心と身体が健康でいきいきと働くことは社会生活の基礎であり、企業の活力向上にもつながると考え、2021年10月に「健康経営宣言」を行いました。この宣言の下、社員の健康増進を支援し、健康経営を一層推進してまいります。
エンゲージメント向上
社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものです。定期的に社員エンゲージメント調査を実施し、その傾向を把握・分析し、社員の「働きがい」と「働きやすさ」の向上に向けて活動を強化してまいります。
コンプライアンスの推進
当社は、社会から求められる企業倫理に沿った活動を行うことが大前提であると考え「マブチモーター倫理規範」を制定し、すべての役員と社員が守るべき法例等の社会ルールを具体的に示し、その浸透を図っております。本社及び国内外の拠点において、コンプライアンス委員会の主導のもとでコンプライアンス教育活動を継続し、法規制及び社会規範の順守に関する様々な説明会や研修を実施してまいります。
ワーク・ライフ・バランス
当社は、社員の働き方の選択肢を増やし、社員それぞれの事情に合った働き方の実現を後押しすることで、会社全体の生産性向上・付加価値の創出につなげることを目指しております。その実現のため、多様化するライフスタイルに対応し、仕事とプライベートの両立を支援する制度・環境づくりに取り組んでまいります。
社員エンゲージメントの向上
社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものです。当社は、定期的に社員エンゲージメント調査を実施し、調査で得られた結果は、取締役会や執行役員会議などで報告し、調査結果の分析、課題の整理を進めているほか、分析結果(強み・課題)を反映した人事施策の整備に取り組んでいます。
2023年7月に実施した調査では、約95%の社員から回答があり、裁量や給与への納得感に関する評価が改善した一方で、称賛への妥当性の項目に改善の余地があると認識しました。こうした結果をうけ、毎年1月に実施される社員の表彰制度の見直しを実施しました。より客観的な基準で受賞者を選定する制度へ改訂し、称賛への妥当性を高めるとともに、会社として成果が出た取り組みのみならず挑戦そのものを評価することを周知し、社員の意識変革を図っています。
今後も継続的に調査を実施することで社員のエンゲージメントを把握・分析し、社員の「働きがい」と「働きやすさ」の向上に向けて活動を強化していきます。
社員同士のつながりを深め、お互いを応援し合う文化の醸成
2023年5月、社員同士が相互理解を深め、お互いの頑張りや挑戦をリスペクトし、応援し合う環が広がること目指して、双方向のコミュニケーションが可能な新たなWeb社内報「まぶちーむ」を立ち上げました。社員一人ひとりの日々の頑張りやチャレンジする気持ちに焦点を当てた記事を掲載し、社員が日々どのような想いで、どのような業務に挑戦しているのかを社内報の形で社員に共有しています。今後も様々な施策を通じて、お互いをリスペクトし応援し合う文化の醸成に取り組み、その結果としてエンゲージメントの向上を目指します。
社員に聞いた「マブチらしさ・よいところ」
2024年1月に創立70周年を記念したアンケートを実施し、全社員から「マブチらしさ・マブチのよいところ」を募集しました。アンケートの結果、標準化戦略や金型から製品に至るまでの総合開発力などのほか、「誠実で親切、まっすぐな人が多い」「いざという時の団結力・馬力がすごい」「和気あいあいとして、意見・提案をしやすい雰囲気」といった回答が多数集まりました。この結果は社内報で社内に共有され、70周年を迎えた節目のタイミングで当社の強み・当社らしさを改めて認識できる内容となりました。